
【開催報告】7月例会「完璧な親なんて いない。」子どもたちの笑顔が広がるまちへ〜海老名から始まる子育てのヒント〜
2025年7月8日(火)、えびな市民活動センター ビナレッジにて、子育てをテーマにした7月例会を開催しました。当日は多くの参加者があり、充実した学びと対話のひとときとなりました。
理事長あいさつ&企画者あいさつ
理事長・鈴木輝彦君より、「家庭こそが子どもにとって最も身近であり大切な場所。一緒に学び、より良い家庭づくりを目指したい」との想いが語られました。
続く、企画担当・青少年委員会の中島はるか君からは、「子どもの主体性を育て、大人自身も成長する。家庭は“安全基地”、悩みを抱える人が一歩踏み出せる場にしたい」と熱いメッセージがあり、今回の例会開催の趣旨が語られました。
第1部講演:大豆生田啓友 氏(玉川大学 教育学部 教授)
テーマ:「子ども時代の“幸福感”が、人生をつくる」
大豆生田氏は、子ども時代の「幸せだった」という感覚が大人のウェルビーイング(心・身体・人間関係の充実)に直結すると語りました。
また、国の「はじめの100カ月の育ちビジョン」の構想にも携わった知見から、“正解を求めず頼ることができる”環境の大切さを参加者に伝えました。
- 「Nobody’s Perfect(完璧な親なんていない)」というカナダの子育て支援スローガン
- 「自立とは“依存先を増やすこと”」という小児科医・熊谷晋一郎氏の考え
- 子どもの声を「アドバイス」ではなく「共感」で受け止める姿勢
さらに、子どもにとっての遊びは“探究心の学び”であり、安心と挑戦のバランスが不可欠であると話されました。
何かに夢中な時、まずはその姿を認め、「選択肢を与える」「正解を押しつけない」対応が、子どもの主体性を引き出すとのことでした。
「今向き合っていることは、すぐに結果にはならなくても、子どもの中に必ず残る」——
そんな長期的な視点が、保護者の心に温かく届く講演となりました。
第2部講演:棒田明子 氏(NPO法人 孫育て・ニッポン 理事長)
テーマ:「子どもには“ほめられる”より“認められる”関わりを」
棒田氏は、「ほめる」は結果重視、「認める」は過程重視とし、後者の関わりが子どもにとっての“チャレンジする力”につながることを伝えてくださいました。
また、人間の赤ちゃんは本来「未熟な状態で生まれてくる」存在であり、「多くの目で見守られることが前提である」と強調。
親だけで頑張らなくていい、というメッセージが温かく語られました。
- 思春期の「ウザい」は、実は「見てほしい」の裏返し
- 「やればできる」の前に、親の“見守る我慢”がある
- 「宝探し=やりたいこと探し」。子どもの興味を引き出す目線を持つ
また、自己肯定感と自己有用感(自分が誰かの役に立っているという感覚)を育てるには、「認める関わり」こそが土台になると語られました。
講演の締めくくりでは、キーワードとして「+(た)子育て(+=多/他/楽)」を紹介し、子どもにも大人にも“応援団”が必要であること、「助けて」と言える環境づくりの重要性を、実体験とともに伝えてくださいました。
第3部|参加者対話のグループディスカッション
参加者同士が講演内容をもとに感想や気づきを共有し、「正解はない」と安心して語り合う場が生まれました。
「自分だけじゃない」「こういう関わり方があるんだ」と、温かな共感が広がりました。
参加者の声(一部)
- 「今日の言葉に何度もうなずいてしまった」
- 「同じ悩みを抱えた人がいる。仲間がいることに安心した」
- 「“子どもは親の言うことを聞かない”と聞いて、ふっと肩の力が抜けた」
おわりに
「子育てに“正解”はない」「子どもは親の言うことを聞かない。でも、ちゃんと見ている」。
そんな講師陣の言葉は、参加者の胸に深く残りました。
“うまくいかない”毎日の中にこそ、学びがあり、信頼の芽が育っています。
本例会がその種まきの一歩となり、地域に「完璧じゃなくていい家庭」が広がっていくことを願っています。
国の施策でも、子どもの育ちには「多様な大人との関わり」「安心できる居場所」「主体的な挑戦の機会」が不可欠であるとされています。
まさに今回の例会は、それを地域から実践していく試みとなりました。
海老名青年会議所は、今後も家庭と子どもの未来を支える活動を、地域の皆さまとともに推進してまいります。
引き続きご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。